公務員試験_受験体験記

公務員試験&行政書士の対策法まとめ

労働基準監督官A(筆記試験)

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労基の強制捜査


こんにちは。

今回は、労働基準監督官の筆記試験について書いていきたいと思います。労基は第一志望でしたが、そもそもは志望すらしていませんでした。とある事情から3月にいきなり志望し始め、ゼロから労働法を勉強しました。労働基準監督官は受験者が少なく、情報収集が難しい試験です。自分は2次試験で落ちてしまいましたが、情報不足に悩む受験者のためにも出来る限り詳細に書いていきたいと思います。

結果
択一式 58/80(教養22,専門36)
記述式 140/200(労働法156,労働事情127)

 

1.会場

 

埼玉大学
裁判所に引き続き又も埼玉大学でした。朝4時台に起床し会場へ向かいます。国税等と同じ会場のため、どこの建物かわからず並ぶ場所を間違えそうになりました。列をパッと見たところ、やはり労基の受験者は圧倒的に少なかったです。

 

 

2.スケジュール 

 

・受付 9:05〜
・教養 9:35〜11:55
(休憩)
・専門 13:10〜15:30
(休憩)
・論文 16:05〜18:05

 

3.教養科目(解いた順)

 

とても難しく、国家系の難易度の洗礼を受けました。コムジョーでも「明らかに難化」と評価されていました。5割しか取れませんでしたが、それでも十分な得点だったと思います。友人は4〜5割が多く、中には足切りだった人も…。国家専門職は5割前後取れれば良いと思います。

⑴知識分野 8/13 (17分)

これまで同様、頭の体操として知識分野から解きました。時事から始まるのですが、マイナー論点ばかりで、2〜3択から絞りきれずほぼ勘でマークしていました。奇跡的に2/3でしたが、最悪0点もあり得たと思います。また、人文・自然も難しくて手応えなし。思想と社会科学が簡単だったので、ここで満点取れるかが重要だったと思います。

労基時点での参考書の進度
・時事問題集 5周
※他ノータッチ

⑵文章理解 7/11 (63分)

知識系で絶望させられた後に解く知能系は辛いものがありますね。現代文は時間が掛かったものの解答は出来ました。問題は英語で、時間は掛かるし選択肢も絞れないしでかなり苦戦しました。文章理解で過去最低点を叩き出しました。
労基時点での参考書進度
・ターゲット5周
※他ノータッチ

⑶数的処理 7/16 (60分)

足切り」が頭を過ぎる中、残り時間を数的処理に充てます。得意の資料解釈が全問解けて心が救われましたが、すぐに判断・数的で絶望しました。時間がなく、難問は無視して簡単な問題を見つけなければならなかったので、とにかく焦っていました。まともに計算したのは8問で、その中で正答できたのは4問だけでした。初めての4割得点でした。

労基時点での参考書進度
※ノータッチ

 

4.専門科目 (解いた順)

 

解き終わった瞬間に8割は確信しましたが、まさかの9割も得点することができました。例年比で易化だったのかもしれませんが、何より予備校の予想が的中しまくりでした。リアルで労基受験の友人はいなかったのですが、Twitterの労基受験者は7〜8割が多かったと思います。あと、時間が30分以上余りとても暇でした。

⑴労働法・労働事情 11/12

労働法は、労災補償が難問でしたが基本問題が多く得点しやすかったです。そして、労働事情が満点でした!死ぬ程の思いで白書を暗記していたのが報われてよかったです。LECの猪◯講師に感謝です。

労基時点での参考書進度
・労働法スー過去 5〜7周
・労働事情予想問題 5周
労働経済白書(要約版) 4周

⑵法律科目 11/13

法律も基本問題が多く得点しやすかったです。行政法・刑法は苦手でそれぞれ2点・1点しか取れませんでしたが、他の科目でカバーできました。刑法は過去問からテーマ予想できると聞いていたのですが、ほぼハズレてました。

労基時点での参考書進度
憲法,民法クイマス 5周
行政法クイマス 4周
・刑法スー過去(基本のみ) 3周
・弱点ノート 5〜7周

⑶経済学・経済事情 10/10

こちらも基本問題多めでした。マイナー論点からの出題もありましたが自由選択なので気にしませんでした。経済事情は30問ほど予想問題集を作っていたので簡単に満点が取れました。

労基時点での参考書進度
・クイマス 5周
・過去問6年分
・経済事情問題集 5周
・経済財政白書(要約版) 3周

労働経済社会保障 3/4

労働経済は最悪選択しないつもりでしたが、解けそうだったので全問選択しました。社会保障もたまたま時事で覚えた選択肢があったので一本釣りしました。

労基時点での参考書進度
・過去問6年分

社会学 1/1

苦手科目でしたが1問だけ合ってました。特別区の反省から国家系の過去問も解いていたのですが、なかなか得意になれませんでした。

労基時点での参考書進度
・クイマス4周
・過去問6年分

 

5.専門記述

 

労基試験の関門です。専門記述のせいで受験者が少ないと言っても過言ではないでしょう。なんせ、他で使わない割に比重が高く対策もし辛い。2時間で2000〜3000字を一気に書き上げなければならない苦行のような試験です。

⑴労働法 156点 (約1700字)

100字記述は万全の対策だったので、しっかり完答できました。⑵も超短文問題だったので暗記した判例の規範で簡単に対応できました。⑶は36協定までは書けましたが、割増賃金・休業手当の算出方法を正確に覚えておらず、かなり誤魔化した論述になってしまいました。おそらく⑴⑵はほぼ満点で、⑶で失点してしまったのだと思います。平均点が90点台なので、かなり高得点が取れたと思います。

⑵労働事情 127点 (約1100字)

100字記述は、用意していた物と経済学の知識で完答することができました。しかし、⑵は5テーマ用意していたのですが、予想テーマが外れてしまいました。白書の読み込みはしていたので、キーワードからなんとなく想像して頭の知識と組み合わせながら論述しました。LECの解答速報と比較して内容の半分くらいズレていたのですが、6割得点できました。予想が外れても諦めずに書ききることが大事だと思います。

 

6.労基に特化した対策

 

労基は、労働法・労働事情・労働経済といった他の試験種であまり出題されない科目が存在するため、特別な対策が必須です。市販の参考書のみでは対策できないと考えたため、LECの専門職必修講座を単科受講して対策しました。

⑴択一式

・労働法
スー過去をメインに対策しました。3月から始めて時間がなかったので、鉛筆で全ての問題を成文化して、ひたすら読み込むという勉強法をとりました。労基では学説問題が出ないため、スー過去の国総の過去問は飛ばしていました。また、安全衛生・労災補償はスー過去にないため、6年分の過去問と模試で対策しました。

・労働事情
LEC猪◯講師のレジュメをメインにしました。レジュメの統計数値を暗記ペンで塗り、赤シートで全て暗記していきました。また、TACとLECの模試を予想問題にして完璧にしました。白書を全て読み込む人もいましたが、費用対効果が低いので、要約版と予想問題のみで十分だと思います。

労働経済
過去問からの焼き直しが多いので6年分を解きました。経済学の知識でも解けるので、深入りはしないでいいと思います。

・その他の科目
基本問題からの出題が多いので、オーソドックスな参考書のみでも対応できると思います。しかし、経済学は過去問からの焼き直しが多いので過去問を数年分やることをお勧めします。

・教養
対策しても意味ないくらい難しいので、オーソドックスな参考書のみでいいと思います。足切りだけは回避しましょう。

 ⑵専門記述

 

・労働法
労働法は、昔は大型論点が1〜2つあるだけの問題で予想が外れたら即足切りの試験だったのですが、最近は多論点型(7〜10)になっているので浅く広く勉強すれば足切りは余裕で突破できます。正直、労基は足切りさえ突破できれば最終合格まで行けるので、気楽に臨んでもらっても大丈夫です。

自分は、過去問は一切解かずに論点ブロックをひたすら暗記する対策を取りました。LECの記述対策本には、70 程の典型論点を100字ほどでまとめた論点ブロックカードが掲載されています。これを全て暗記することで、⑴の100字記述だけでなく、事例問題にも対応できるようになりました。この講座をとらなくても、自分で択一で出るような論点や条文を100字ほどでノートにまとめれば、効率的に対策できると思います。

・労働事情
労働事情の記述は、労働経済白書第2部の特集部分から出題されます。

自分は、この要約版を読み込んだり、論点ごとにまとめノートを作り暗記するという対策を取りました。高得点をとるには全版を読んだ方がいいと思いますが、足切りさえ突破できれば良いのでそこまでする必要はありません。要約版の重要な部分を暗記して、論理的に説明できるようにしておくだけで平均点を超えると思います。

 

以上で、終わります。

最後まで見ていただき、ありがとうございました。