公務員試験_受験体験記

公務員試験&行政書士の対策法まとめ

裁判所事務官(筆記試験)

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意外と綺麗な静岡地裁

こんにちは。
今回は裁判所事務官一般職の筆記試験について書いていきたいと思います。当日の流れ・解いた感想・裁判所対策の3つを順に書いていきます。

まず最初に、結果だけ乗せておきます。

択一式 50/70 (教養26/40 専門24/30)
択一順位 257位 (3196人中)
憲法記述 90/100
小論文 50/100

 

1.会場

埼玉大学
家から電車とバスを使って2時間ほどかかる会場でした。遅延等、万が一の場合に備えて7:40には会場につくようにしていたので、朝起きるのが辛かったです。埼玉県の会場はここの一か所だけだった気がします。(違ったらごめんなさい)キャンパス内にベンチがたくさんあるので、受付の時間まで座って専門記述を詰め込んでいました。あと、個室トイレの数が少なくてかなりの時間待たされました。トイレ待ちの時間も有効活用するために専門記述の解答は常に持ち歩いていました。
8:50分に着席させられ、朝から晩まで約9時間拘束される地獄が始まりました。
※毎年、受験票の穴あけが綺麗じゃないと印象が悪くなると話題になりますが、気にしなくて大丈夫です。自分は汚くなりましたが合格してます。

 

2.当日の時間割

 ・受付  8:00〜8:30
・教養試験 9:10〜12:10
(休憩※)
・専門試験 13:25〜14:55
(休憩※)
憲法記述 15:30〜16:30
(休憩※)
・小論文 17:05〜18:05
※15分前着席

 

3.教養科目(解いた順)

 とにかく試験時間が長いです。途中でトイレに行きました。教養は目標の6割を超える点数でしたが、思ったよりも簡単だったため7割はとるべきだったと思いました。

⑴ 知識分野 7/13(15分)
特別区同様、まず最初に知識分野から解きました。例年は奇問難問が出ると言われている教養知識ですが、今年度は基礎的な問題が多かったです。どうせ難しくて解けないからと特別区が終わってからの1週間は知識系を全く勉強していなかったことが裏目となり、基礎問題も落としてしまったりしてうまく得点できませんでした。

裁判所時点での参考書の進度
特別区からノータッチ

⑵ 文章理解  8/10(70分)
次に文章理解を解きました。裁判所の文章理解は長文で内容も難しいですが、その代わりに試験時間が3時間と長めに設定されています。特別区より長めに、易問5分・並問7分・難問9分の目安で解いていました。英語で要求される語彙レベルが高いのですが、target1900の16~19章を覚え直したりと対策済みだったので、特に苦労することはなかったです。現代文でフェイクニュースについての文章が出たのですが、同年の司法試験公法系第一問もフェイクニュースが出題されたみたいです。司法府の関心事は要チェックかもしれません。

裁判所時点での参考書進度
・core1900 4周(音読)
・target1900 4周
・過去問 7年分

⑶ 数的処理 11/17(95分)
最後に、残りの時間全てかけて数的処理を解きました。数的処理も昔は奇問難問ばかりと言われていましたが、ここ2~3年は易化しています。自分は4月からほとんど勉強してなかったのですが、6割得点することができました。周りの友人は、数的が得意な人は8~9割、苦手な人でも5~6割とっていました。

裁判所時点での参考書進度
・判断・数的ザベスト 5周
・資料ザベスト 3周(level8まで)
・過去問 4年分

 

4.専門科目(解いた順)

 模試同様9割とるつもりでしたが、8割止まりとなってしまいました。とにかく経済学が難しかったです。

⑴ 法律科目 18/20 (憲法6,民法12)(55分)
LEC模試でとれた満点は達成できませんでしたが、9割得点することができました。憲法は満点を狙える内容でしたが、1問マークミスで落としました(^^;)。民法は裁判所ということもありやはり難しかったのですが、過去問演習をしっかりと行っていたことから、1問ミスに抑えることができました。法律が得意な友人は8~9割、苦手な友人は6~7割の得点率だったと思います。

裁判所時点での参考書進度
・クイマス 4周
・弱点ノート 4~6周
・過去問 10年分

⑵ 経済学 6/10 (35分)
難しかったです。1問勘でマークした問題があっていたので、実質5点でした。学内講座の講師に聞いたところ、捨て問・難問が4題もあったとのこと。自分は解けないこと時間がないことに焦ってしまい、残りの基礎問題でも失点がありました。一方で、選択科目の刑法が易化していたらしく、選択した友人は8~10割がほとんどでした。刑法ノー勉で8点だった友人もいて、とても悔しい思いをしました。

裁判所時点での参考書進度
・クイマス 4.5周
・過去問 3年分

 

5.憲法記述 90/100 (1300字)

 本命、かつ、直前の休み時間に復習していた「司法権の独立」から出題があったため、満足のいく答案が書けました。誤った記述があったものの、論点を落とさず、条文を適示できたため、9割答案になったのだと思います。

以下、実際の答案構成 ※用語等の間違いアリ
⑴ 意義/趣旨
職権の独立(76③)、身分保障(78前後)、司法府の独立(76)
⑵「良心」
客観的良心、裁判官の職業倫理
政治権力・内部監督からの独立
国勢調査権・国民の裁判批判
身分保障
懲戒事由の限定(78前)、行政機関による懲戒の制限(78後)、定期相当額の報酬の保証(79,80)
⑷司法府の独立
規則制定権、監督権

 

6.小論文 50/100 (1200字)

 最後の科目の小論文です。朝早く起きてぶっ通しで試験を受けるのは体力的にきつかったです。
「今の社会であなたが考える良い職場とは何かについて理由とともに論じ、それを実現するためにどのような方策が考えられるか述べなさい。」という問題でした。
ある程度書けたと思ったのですが、点数は低かったです。今、答案構成を見返してみると、文章全体が論理的でないし、裁判所という組織より民間企業を意識した答案になってしまっていると感じました。

以下、実際の答案構成
⑴定義付け
①コミュニケーションが円滑
②貢献意欲を持って臨める組織
「今の社会」を意識した理由付け
人や課題の多様化、他組織との競争の激化
→上記2つの力が「良い職場」には必要
⑵課題
IT化、SNS、コミュニケーションの機会減
正規雇用の増加による共通目的の希薄化
⑶施策
会議等の「顔の見える関係」
他部署との連携(クロスランチ)
目的の明確化、役割分担(自ら貢献する意欲が大事)

 

7.裁判所に特化した対策

 ⑴ 択一式
オーソドックスな参考書だけでも合格点は取れますが、安定して7割以上とるには過去問演習をした方がいいです。
知識・数的は易化しているので不要ですが、文章理解は裁判所特有の難しさがあるので慣れるまで解く必要があります。また、3時間の時間配分に慣れるために、通しで1年分は解くことをお勧めします。
法律科目は、過去問10年分解いたのが効果的でした。特別区が終わってから1日2年分解き、前日に間違えた問題だけ見直すという方法をしていました。裁判所だけでしか出ない知識が過去問で繰り返し出題されているので、志望度が低い受験者と明確に差をつけられます。
経済学はボロクソ書きましたが、簡単な年もあります。刑法・経済学でどちらが有利というのはないので好きな方を選んでください。

論文式試験
憲法の記述は、丸暗記でなく論点名のフローチャートを作りそれを覚えました。この方が、一言一句覚える苦労やストレスもないですし、細部を忘れてしまっても論理的な答案の流れを維持できるので採点しやすいだろうと思ったからです。例外として、本命予想の3テーマだけ一言一句覚えました。
予想テーマは24つ用意しました。
①直近5か年で出ていない過去問テーマ
②TAC・LECの模試
裁判所書記官任用試験の過去問直近5か年
これらから予想テーマを絞りました。みなさんこの中で気になるのは③だと思います。書記官任用試験は裁判所職員が書記官になるために受ける内部試験のことです。試験科目の憲法は、公務員試験同様一行問題で出題され、テーマも似たようなものが多いです。自分は職種研究の一環としてその過去問を見たのですが、その時に、公務員の憲法記述のテーマが書記官任用試験の直近5か年から出題されやすい事に気づきました。(※全く違う時もある)また、予備校に通う友人に憲法記述予想の有料講座を見せてもらったのですが、その内容は上記①③とほぼ一緒でした。予備校も書記官任用試験から予想しているのかもしれません。
的中の保証は出来ませんが、興味のある方は、「裁判所時報」「書記官会報」という本に書記官過去問が掲載されているので、大学の図書館等で探して確認してみてください。
小論文は、特別区等で対策していれば十分だと思います。心配な方は過去問を1~2年分起案することをお勧めします。まぁ、自分は点数低かったんですけれど(^^;)

 

以上で終わります。
ご覧いただきありがとうございました。